表面熱処理の種類と特徴 その弐

2022.08.24
全国熱処理ファンのみなさま、こんにちは。
前回表面熱処理の種類として、表面硬化処理、表面強化処理、表面改質をご紹介させていただき、
その中で表面硬化処理について、ご説明させていただきました。
今回は、表面強化処理と表面改質についてご説明したいと思います。

表面強化処理は、鋼材を窒化雰囲気ガス中で加熱し、鋼材表面に窒素を拡散させて表面を強化する方法です。
鋼材中に侵入した窒素は、結晶構造中に侵入するだけでなく、鋼材中の元素と窒化物を造って成長し、
結晶格子構造を歪ませて表面を強化します。
活性な窒素が生成しやすい高温の溶融塩浴中に投入して窒化させる塩浴軟窒化もあります。
(窒化処理には、焼入れは不要です。)
※塩浴軟窒化については、2020年11月を御参照下さい。 ⇒参照はこちら

表面改質とは、鋼材の表面の性質を(化学的、機械的に)改善することです。
一般的に、加熱や浸透等の処理を行って、硬さや表面の機械的・化学的な何らかの
性質が向上します。種類としては、硫黄を拡散させる浸硫処理、水蒸気で表面の酸化物を
改質する水蒸気処理、炭化物を表面に析出させる炭化物処理等があります。

熱処理には、様々な種類や特徴があります。
私達が、普段なにげ無く使用している道具類やその部品等に施されている事が多々あります。
引続き熱処理や表面処理について、ご紹介していきますので、ご愛顧の程、宜しくお願い致します。

(Y.S.)


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#火曜日は熱処理の日 #金曜日は金属の日