オーステンパー

ひずみの発生と焼割れを防止し、強靭性を与える焼入れ方法です。
(恒温焼入法)
通常焼入し高温焼戻した、同一硬さ品に比べ、衝撃値が2~3倍高いことが特徴です。

Ac3点またはAc1点以上の安定なオーステナイト組織にまで加熱後、400~500℃の熱浴で冷却、この温度にて比較的長時間保持し、恒温変態を完了させてから取り出し空冷します。
この処理で得られる組織がベイナイトです。したがって「ベイナイト焼入」とも云われます。

マルテンサイト変態を起さないで直接ベイナイト組織にするため、変態に伴う体積膨張収縮がなく、また400~500℃の熱浴へ浸漬するため、焼入温度域からの温度差も少なくなっています。それら必要以上のストレスを与えないことから、変形・変寸が少なく、強靭性が得られます。

一般にオーステンパーが可能な炭素鋼はC量は0.6%以上が適当です。

対応事例

自動車部品メーカー

お悩み他社で焼入焼戻の処理を行っていたが、変形による不良率が高く無駄が発生してしまっている。

ご提案変形の事象をふまえ、弊社オーステンパーへの処理変更をご提案し処理したところ、変形が発生せずに良品が出来上がるようになりました。
オーステパーへの処理変更で以前よりも熱処理コストに関しては若干上がってしまいましたが、不良率が下がったことで材料から加工までのトータルコストを下げることができました。

熱処理後に研磨をしていたのが、弊社に切り替えたことで後工程をしなくて済むようになった、
なんてケースも多々ございます。変形にお困りなら伸和熱処理へ。